来談者中心療法とは?キャリアコンサルタントがわかりやすく解説します
・来談者中心療法ってどんな理論なの?
・来談者中心療法のポイントを教えて!
・試験ではどのようにでてくるの?
こういったお悩みに答えます。
この記事を書いている私は、
・キャリアデザインスクールの就職・転職キャリアコーチ・コンサルタント
・前職は人材会社で6年勤務、3000名以上のキャリア相談実績
来談者中心療法とは
ロジャースが提唱
アメリカの臨床心理学者であるカール・ロジャース(1902~1987)が提唱しました。
ロジャースは「クライエントの自己成長の力を信じ、その力と決断力を中心に進める(来談者中心)」という理論を展開しました。
主な考え方
「人間は本来、自己成長力を内に秘めていて、自分の問題については自分が一番よく知っている。問題解決とどう生きていくかを自分の中で育んでいる」
とロジャースは考えました。
背景
ロジャースはもともと精神分析を学んでいましたが、
カウンセリング実践を通じて、精神分析の人間観に疑問を持つようになり、
「来談者中心」という理論を提唱しました。
心理的不適応
心理的不適応とは、クライエントの理想自己と現実自己の不一致によって生じるものです。
カウンセラーが主導権を握ったり、外からレッテルを貼るのではなく、
その人がどんな体験をしたかを内側から理解しようとすることが大事です。
クライエントの内的リアリティ、体験の中における現実性を大切にすることによってしか、治療は成り立たないと主張しています。
主な概念
理想自己と現実自己
人は成長の過程で自己イメージ(自己概念)を持ちます。
→同時に周囲の期待や欲求について意識します。
→周囲に受け入れられたいがゆえに防衛が働き、経験を歪めてしまいます。
→自己概念と一致しない経験が起きることがあります。
→そういった経験を「不一致」と呼び、自己概念と経験が一致している状態を「一致」とした。
↓現実の自己を理想の自己へ近づけようとする
自己概念と経験
カウンセラーに求められる基本的態度の3条件
カウンセラーは、クライエントに対して無条件の肯定的関心を持つ
2.共感的理解(共感)
クライエントの内的世界を共感的に理解し、それを相手に伝える。
※共感的理解とは「共感的であって同感的でない」。相手に巻き込まれないような感じ方。
3.カウンセラーの自己一致(純粋性、誠実さ)
クライエントとの関係において心理的に安定しており、ありのままの自分を受容している。
ポイント
実現傾向
生命体が自らをよりよく実現していこうとする潜在的な力のこと。
人間にとっての最も根源的な唯一の動因だとロジャースは考えています。
人格変化の必要十分案件
☑カウンセラーとCLが心理的接触を持っている。
☑CLが不一致の状態にあること。
☑カウンセラーは、この両者の関係の中で、一致・統合している。
☑カウンセラーは、CLに対し、無条件の肯定的関心を持っている。
☑カウンセラーは、CLを共感的に理解し、理解したことをCLに伝えようとしている。
☑カウンセラーは、CLの共感的理解と無条件の肯定的関心が最低限CLに伝わっている。
過程概念
過程概念とは、カウンセリングの中でクライエントがどのように変化していくかという変化の過程を概念化したもの。
十分に機能する人間
十分に機能する人間とは、人が最高に実現された状態であり、カウンセリングの目標像。
来談者中心療法の試験での出題傾向
過去5回のうち3回出題
来談者中心療法は試験では一体どのように出題されるのでしょうか。
来談者中心療法というワードは第18回~第22回試験の中でも
3回
出題されています。
ですので、比較的出題傾向が高いと言えます。
組み合わせ問題で出題される
来談者中心療法は、試験ではどのように出題されるのでしょうか。
第18回~第22回で出た来談者中心療法の問題3問のうち、全てが
「カウンセリングの理論、心理療法の名称、提唱者、関連する用語の組み合わせ」の問題から出題されています。
組み合わせ問題の対策だけすればOK
「カウンセリングの理論、心理療法の名称、提唱者、関連する用語の組み合わせ」の問題とはどのような問題でしょうか。
たとえば
というように、理論家や理論の名称、関連するキーワードの組み合わせが適切かどうかを問う問題です。(上記は正解)
来談者中心療法の問題は、この組み合わせ問題しか出てこないケースが多いので、
内容を深く理解するというよりも、
ロジャース=来談者中心療法
という組み合わせだけ頭にいれておきましょう。
他の組み合わせに注意!
しかし、組み合わせ問題は、他の組み合わせにも注意が必要です。
過去の試験では、
・来談者中心療法の理論家がロジャースではなく別の理論家になっている
というものだけでなく、
・理論家名と理論の組み合わせは合っているが、他のキーワードが違う
というケースも過去に出題されているので、
他の理論家や理論も網羅して頭の中に入れておくことが重要です。
参考文献
・平木典子『新版カウンセリングの話』
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・下山晴彦『よくわかる臨床心理学』
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・日本カウンセリング学会『カウンセリング心理学ハンドブック 上巻』
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おわりに
・幸せ、ウェルビーイングに生きていきたい
・キャリアや人生で後悔したくない
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